ケリングがコロナ以前の業績に回復 主力のグッチ以外は19年比で2桁増

ケリング(Kering)の2021年上半期の連結決算は、売上高80億4720万ユーロ(約1兆443億円、前年同期比53.3%)、経常利益22億3700万ユーロ(約2903億円、同134.9%増)の増収増益だった。2019年同期比の売上高は7.7%増となり、経常利益も2019年同期実績に近い水準に到達するなど、コロナ以前の業績に回復した。

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 ブランド事業の売上構成比は「グッチ(GUCCI)」が58%、「サンローラン(SAINT LAURENT)」が14%、「ボッテガ・ヴェネタ(BOTTEGA VENETA)」が9%、「バレンシアガ(BALENCIAGA)」などを含むその他が19%となっており、グッチが大半を占める。

 グッチは第2四半期に売上を伸ばし、上半期の売上高で44億7930万ユーロ(約5813億円)を計上した。前年同期比50.3%増、2019年同期比では0.1%増とコロナ以前の業績水準に戻ったが、サンローランは2019年同期比10.6%増、ボッテガ・ヴェネタは同32.6%増、その他のブランドは同22.7%増と、グッチ以外のブランドで2桁成長を記録。EBIT(利払い・税引き前利益)ではグッチのみ2019年同期実績を上回ることができなかった。その他のブランドはバレンシアガと「アレキサンダー・マックイーン(Alexander McQueen)」のほか、ジュエリーブランドなどが好調だったという。

グッチは2020年初頭から流通改革に着手しており、その影響から卸売売上高は前年同期比9.6%減、2019年同期比40.8%減となった。グッチの直営店およびオンラインの収益は59.0%増加した。

 地域別ではアジア太平洋地域で前年同期比67.7%増、北米で同124.8%増と大幅な伸び率を記録。日本も同25%増、西ヨーロッパにおいても同2%増収と回復基調にある。ケリングは高級品市場の回復に伴い、ラグジュアリーハウスの強化を図っていくという。

 なお、ライバルのLVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン グループが今月発表した2021年上半期では、売上高は2019年同期比14%増の286億6500万ユーロ(約3兆7200億円)、純利益は2019年同期比62%増の52億8900万ユーロ(約6863億円)を計上。いずれも2桁成長となり、依然続くコロナ禍でもラグジュアリー市場の力強い成長が続いている。

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